産地について
山梨県
シャトー・メルシャン勝沼ワイナリーは、富士山を臨む山梨県・甲府盆地の東側に位置しています。古くから、甲州、マスカット・ベーリーAの産地として有名です。いち早く垣根栽培に取り組んだ自社管理畑「城の平ヴィンヤード」では、1980年代から今に至るまでチャレンジを続け、試行錯誤を繰り返し、そこで得た知見は、全国の契約栽培農家へと伝えられています。シャトー・メルシャンのブドウ栽培技術の向上を担ってきた原点がここにあるのです。
城の平ヴィンヤード
「城の平ヴィンヤード」は勝沼地区に所有する自社畑で、1984年に日本で最高のカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培するために、垣根式栽培を開始しました。昼夜の寒暖差は大きく、ブドウの成熟に最適な気候条件を備えています。標高550~600mで土壌は粘土質、穏やかな斜面に広がる畑は、日照量も豊かで風通しも良好です。この産地から造られるアイコンワイン『Ortus(オルトゥス)』はラテン語で「起源」を意味し、『城の平』がメルシャンのブドウ栽培の源流であることに由来しています。「城の平ヴィンヤード」のポテンシャルを最大限引き出すために、厳しい栽培管理のもと収穫されたカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー等をバランスよくブレンドした、ワインです。
- 標高
- 550~600m
- 土壌
- 粘土質
- 品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン、
メルロー、カベルネ・フラン、
プティ・ヴェルド - 仕立て型
- 垣根式
YAMANASHI AREA MAP
祝村ヴィンヤード
勝沼ワイナリーのワインギャラリー目の前にあるヴィンヤード。この場所の旧名の祝村にちなみ、祝村ヴィンヤードと名付けられました。約20種もの品種を垣根式で栽培しており、小さいながらも示唆に富んだ畑です。勝沼ワイナリー限定ワインはこの畑からも造られています。
- 標高
- 387m
- 土壌
- 粘土質
- 品種
- メルロー、シャルドネなど約20種
- 仕立て型
- 垣根式
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鴨居寺ヴィンヤード
2015年より、シャトー・メルシャンは、山梨県山梨市鴨居寺地区に圃場を開きました。シャトー・メルシャンの山梨県の自社管理畑の中では、最も標高が低く、平坦な地形で、周囲に日照を遮るものがなく、重川(おもがわ)の影響をうけた礫質を含む水はけの良い土壌です。
- 標高
- 340m
- 土壌
- 砂礫質
- 品種
- シラー、プティ・マンサン、
ムールヴェードル - 仕立て型
- 垣根式
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天狗沢ヴィンヤード
2017年、シャトー・メルシャンは、山梨県甲州市塩山上小田原地区に新しい圃場を開きました。シャトー・メルシャンの山梨県内の圃場の中では最も標高が高く、南向きの緩斜面で日照量が豊富で水はけの良い花崗岩質の砂壌土で、新たな品種のブドウ栽培に挑戦しています。
- 標高
- 800〜850m
- 土壌
- 砂礫質
- 品種
- シラー、テンプラニーリョ、
アルバリーニョ、
ピノ・グリ
ピノ・ノワール - 仕立て型
- 垣根式
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甲州市 勝沼地区
古くからブドウの産地として有名な地区で、昼夜の温度差が大きく昔からブドウの栽培に適した場所といわれています。
- 標高
- 380~450m
- 土壌
- 砂礫質、粘土質
- 品種
- 甲州、マスカット・ベーリーA
- 仕立て型
- 棚式
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甲州市 岩崎地区
甲州市勝沼町の南部。畑の形状は、平坦地と傾斜地とに分かれ、土壌は主に砂礫質、粘土質です。ブドウの色づきが良くポリフェノールを多く含んだブドウが栽培されます。この地区の甲州ブドウを使ったワインは、骨太のしっかりとした味わいになります。
- 標高
- 380m
- 土壌
- 砂礫質、粘土質
- 品種
- 甲州
- 仕立て型
- 棚式
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山梨市 岩出ヴィンヤード
山梨市岩出ヴィンヤードは甲府盆地の北東部・山梨市を流れる笛吹川の右岸、河岸段丘上にあり、砂礫質で水はけの良い地区です。岩がごろごろ出ることから「岩出(いわで)」という名前が付いたといわれています。
- 標高
- 400m
- 土壌
- 砂礫質
- 品種
- 甲州、マスカット・ベーリーA
- 仕立て型
- 棚式
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甲府市 玉諸地区
平等川と濁川に挟まれた地区で、砂の多い土壌です。また、甲府盆地の真ん中で標高が低く、山梨県内では生育が最も早い地域として知られています。
- 標高
- 255m
- 土壌
- 砂礫質
- 品種
- 甲州
- 仕立て型
- 棚式
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長野県
1976年、浅井昭吾(筆名:麻井宇介)が欧州系品種「メルロー」への改植を決断──契約農家を説得して栽培を開始し、今ではメルローの世界的銘醸地となった「桔梗ヶ原」。理想のブドウ栽培地を探し求め、2003年に辿り着いた好適地が、今では海外で高い評価を得るまでに成長した自社管理畑「椀子ヴィンヤード」。この2つの重要な産地に、2018年桔梗ヶ原ワイナリー、2019年椀子ワイナリーがオープンしました。1980年代からシャルドネの契約栽培地であった北信地区は、海外でも高い評価を獲得。2015年ヴィンテージから、土壌特性の異なる千曲川の左岸(粘土質)と右岸(礫質)という、より産地の個性を表現したワインが造られています。
北信左岸地区
長野県北部の千曲川沿いの傾斜地に畑が点在しています。千曲川がもたらした沖積土壌は排水性に優れ、気候は雨が少なく、昼夜の温度差も大きいため、シャルドネの熟成に適しています。長野市にある北信地区左岸は粘土質の土壌を多く含み、豊かなアロマ、穏やかな酸味の調和のとれたワインになります。この産地から造られるアイコンワイン「Rivalis(リヴァリス)」はラテン語の川(リバー)を表す言葉から派生した双璧をなすこと(ライバル)を意味する言葉です。
- 標高
- 330~360m
- 土壌
- 粘土質
- 品種
- シャルドネ、メルロー
- 仕立て型
- 垣根式
北信右岸地区
長野県北部の千曲川沿いの傾斜地に畑が点在しています。千曲川がもたらした沖積土壌は排水性に優れ、気候は雨が少なく、昼夜の温度差も大きいため、シャルドネの熟成に適しています。須坂市、高山村にある北信地区右岸は礫を多く含み、芳醇で複雑なアロマやミネラル感、しっかりとした骨格が感じられるワインになります。この産地から造られるアイコンワイン「Rivalis(リヴァリス)」はラテン語の川(リバー)を表す言葉から派生した双璧をなすこと(ライバル)を意味する言葉です。
- 標高
- 430~600m
- 土壌
- 砂礫質
- 品種
- シャルドネ、
カベルネ・ソーヴィニヨン、
メルロー、プティ・マンサン、
タナ - 仕立て型
- 垣根式
NAGANO AREA MAP
椀子ヴィンヤード
2003年より自社管理畑としてスタートした椀子ヴィンヤード。「椀子」の名は、6世紀後半にこの一帯が欽明天皇の皇子「椀子(まりこ)皇子」の領地であったという伝説に由来したもの。標高650mの丘陵地に位置した、強粘土質の土壌。広大な土地、恵まれた環境で、新たな最高品質への挑戦がスタートしました。20haを超える雄大な畑を見下ろす場所には、2019年、ワイナリーが完成。畑から醸造を一貫して管理することにより、更なる品質向上を目指します。この産地から造られるアイコンワイン『Omnis(オムニス)』はラテン語で「全て」を意味し、『椀子ヴィンヤード』のテロワールそのもの、ポテンシャルを最大限表現していることに由来しています。
- 標高
- 650m
- 土壌
- 粘土質(含礫)
- 品種
- ソーヴィニヨン・ブラン、
シャルドネ、メルロー、
カベルネ・フラン、
カベルネ・ソーヴィニヨン、
プティ・ヴェルド、シラー、
ピノ・ノワール - 仕立て型
- 垣根式
NAGANO AREA MAP
桔梗ヶ原地区
桔梗ヶ原地区では、1976年からメルローの栽培に挑戦し、1989年、ようやく初リリースした『シャトー・メルシャン 信州桔梗ヶ原メルロー1985』がリュブリアーナ国際ワインコンクールでグランド・ゴールド・メダルを受賞。その後も数多くの受賞を重ね、素晴らしいメルローの産地として世界から高い評価を受けています。標高700m、火山灰土壌の桔梗ヶ原地区のメルローの中から特別な区画を選定した上に、樽セレクションにより厳選された『桔梗ヶ原メルロー』を「Signature(シグナチャー)」と呼んでいます。醸造家が誇りと自信を持ってサインをするにふさわしい、アイコンワイン。2018年秋、桔梗ヶ原ワイナリーがオープン。桔梗ヶ原の新たな挑戦が始まります。
- 標高
- 740m
- 土壌
- 砂礫質
- 品種
- メルロー、カベルネ・フラン
- 仕立て型
- 棚式、垣根式
NAGANO AREA MAP
箱庭ヴィンヤード
桔梗ヶ原ワイナリーの中にある小さなブドウ畑。その広さから、親しみを込めて『箱庭』と呼んでいたところ、いつしかその名が定着しました。メルシャンが塩尻で初めて垣根式栽培にチャレンジした畑で、いくつかの品種を試験栽培し、メルローの他に塩尻の気候風土に合う品種を選抜している、桔梗ヶ原ワイナリーの知恵の泉といえる大切なヴィンヤードです。
シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリー
- 標高
- 730m
- 土壌
- 砂礫質
- 品種
- メルロー、カベルネ・フラン、
リースリング、フィアーノ - 仕立て型
- 垣根式
NAGANO AREA MAP
福島県
1975年、果実酒の消費量が甘味果実酒を上回り、本格ワインの需要が高まる中、薬用人参の休耕地利用を課題に抱える福島県新鶴村の皆さまから、ブドウ栽培をやってみたいという話が持ち込まれ、契約栽培がスタート。新鶴地区はなだらかな丘陵地で日当たり、水はけ、昼夜の温度差など、ブドウ栽培の適地ですが、収穫前の時期の秋雨が長年の課題でした。1998年にある契約栽培農家が薬用人参で使用していた雨よけを設置したところ、飛躍的に品質が向上。2001年には、シャトー・メルシャンの名を冠した「新鶴シャルドネ 2001」の誕生に至ったのです。今では国内外で多数の賞を受賞する、日本を代表するシャルドネの産地の一つに成長しました。
秋田県
大森町の「産業振興」要望に応え、1976年よりいくつかの品種で試験栽培を開始。その後、試験栽培と試験醸造を繰り返し、試行錯誤した結果、1982年にリースリングの定植が開始されるに至りました。1983年には試験醸造品として960本限定で「みちのく秋田大森ワイン」を初出荷。同時に大森ワインぶどう生産組合が設立されました。1987年には「みちのく秋田大森ワイン」が秋田県限定で6000本発売され、また現在まで継続して実施されている「大森ワインパーティ」の第一回が開催されました。1991年には辛口タイプも追加発売。2003年より栽培方法の改革を実施、雨よけを設置するなど品質向上に努め、2010年に「シャトー・メルシャン 大森リースリング 2008」の発売に至りました。
山形県
現在から250年ほど前の江戸時代に、東京(江戸)経由で甲州ブドウがもたらされました。鶴岡市で栽培が続けられてきた甲州ブドウは、山梨とは異なるテロワールで栽培され、性質の異なる甲州ブドウの系統が残っている可能性があります。シャトー・メルシャンでは2020年に初めて醸造を行い、「シャトー・メルシャン 鶴岡甲州2020」をワイナリー限定で発売しました(生産本数550本)。柑橘の果皮のニュアンス、白桃やバナナといった熟した果実の香りが感じられ、程よい酸と果実感が調和したワインです。